日本大百科全書(ニッポニカ) 「ティヤーガラージャ」の意味・わかりやすい解説
ティヤーガラージャ
てぃやーがらーじゃ
Thyāgarāja
(1767―1847)
南インドの作曲家。タンジョール地方のティルバルール村に生まれる。バラモン階級出身で、詩人・哲学者でもあった彼は、テルグ語・サンスクリット語で700曲以上にも及ぶ声楽曲を作詞・作曲した。今日よく知られるラーガ(旋法)は彼によって定着し、最重要歌曲クリティの形式も彼によって完成されたといわれる。今日、彼はディークシタルMuthuswami Dīkshitar(1775―1835)、シャーマ・シャストリŚyāma Śāstry(1763―1827)とともに「三楽聖」と称されているが、そのなかでもっとも敬愛を集め、演奏会などでは、ヒンドゥー神の絵とともに彼の肖像画が飾られることが多い。代表作に『五つの宝石のキールタナ』などがある。
[柴田典子]