改訂新版 世界大百科事典 「デフリント家」の意味・わかりやすい解説
デフリント家 (デフリントけ)
ドイツの俳優の家系。ドブリアンとも呼ばれる。フラマン系の出身。(1)ルートウィヒLudwig Devrient(1784-1822) ベルリン宮廷劇場のすぐれた性格俳優として著名。ロマン的な独創性と強い個性のためにイギリスの俳優エドマンド・キーンとしばしば比較される。(2)エドゥアルトEduard D.(1801-77) ベルリン,ドレスデンなどドイツの主要都市で俳優兼演出家あるいは劇場支配人として活躍。2巻の《ドイツ演劇の歴史》(1848-74)は19世紀演劇史の貴重な記録文書として高く評価されている。(3)エーミールEmil D.(1803-72) エドゥアルトの弟。1821年にデビュー,68年に引退するまで気品にあふれ感覚鋭敏なせりふまわしに秀でた役者として人気があった。
執筆者:宮下 啓三
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報