日本大百科全書(ニッポニカ) 「ドフリント」の意味・わかりやすい解説
ドフリント(一家)
どふりんと
Devrient
ドイツの演劇人一家。始祖ルードウィヒLudwig(1784―1832)は、ベルリンに生まれ、1805年以来各地の劇場に出演、喜劇に優れた性格俳優として名声を得た。その甥(おい)エドアルドEduard(1801―77)はもっとも有名で、ベルリンに生まれ、最初オペラ歌手を志したが、52~70年カールスルーエ宮廷劇場監督として、ドイツ古典劇の上演に貢献した。シェークスピアのドイツ語訳のほか、『ドイツ俳優術史』五巻(1848)の著述がある。彼の長兄カールKarl(1797―1872)、末弟エミールEmil(1803―72)、子オットーOtto(1838―94)、カールの子マックスMax(1857―1927)は俳優として、オットーの子ハンスHans(1878―1927)は演劇史家として知られる。
[大島 勉]