ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ナイキX体系」の意味・わかりやすい解説 ナイキX体系ナイキエックスたいけいNike-X system アメリカの弾道ミサイル迎撃ミサイルABM体系。その主要部分は,PAR,MSRのレーダ装置,およびスパルタン,スプリントの複合ミサイルから成る。 PARは遠距離用,MSRは近距離用のいずれも位相段列レーダで,高速多数目標の捜索,追跡およびミサイルの誘導に使用される。スパルタン・ミサイルは射程 400km,大気圏外のメガトン級核爆発から発生するX線で大陸間弾道ミサイルICBM弾頭を破壊する広域防御用 ABM。スプリント・ミサイルは射程 40km内外,実弾頭とおとりとの識別が可能な大気圏内で迎撃する高加速 ABM。 1972年米ソ間で成立した第1次戦略兵器制限取決め SALT Iの結果,ナイキX体系のミサイルの配備は,首都圏周辺地域と ICBM基地周辺の1地域にそれぞれ 100基まで (合計 200基まで) 配備できることになった。 74年さらに改正され,アメリカは ICBM基地グランドフォークス周辺に 100基,ソ連はモスクワ周辺に 100基ということになった。しかしアメリカは 75年に運用を中止した。 出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報 Sponserd by