アメリカ・インディアンの自称及び公称。1973年、かつてのスー族大虐殺の地、サウスダコタ州ウンデッドニーの教会を、武装したアメリカ・インディアン運動(AIM: American Indian Movement)のメンバーが占拠し、米国政府がこれまで破ってきた協定(371に上る)を守れと主張して籠城(ろうじょう)した。アルカトラズ島占拠事件をきっかけに70年代に入って急速に燃え上がったレッドパワーの頂点に位置するのが、このウンデッドニー事件である。AIMはその後も、「インディアン」差別への抗議行動を繰り広げたが、今日では、ネイティブ・アメリカン固有の文化を若い世代に普及させていく運動に重点を移した感がある。だが、失業率は依然、非常に高く、最も貧困に苦しむマイノリティーの現実にさしたる変化はない。「インディアン」問題の根深さは、それが米国建国の条件、方法、意味そのものと不可分なところにある。