植民(読み)ショクミン

精選版 日本国語大辞典 「植民」の意味・読み・例文・類語

しょく‐みん【植民・殖民】

  1. 〘 名詞 〙 ( [オランダ語] volkplanting の訳語 ) 本国以外の新しい領土や未開地などに本国の人民を移住、定住させ、土地を開拓したり、経済的な活動を行なったりすること。また、その移住民。
    1. [初出の実例]「幾程なきに現前の利に誘われ大に是地に植民し」(出典:鎖国論(1801))
    2. 「自国の人民を海外の地に移して殖民することなり」(出典:文明論之概略(1875)〈福沢諭吉〉六)

植民の補助注記

この語の使用は、挙例の「鎖国論」が古いもので、「植民し」に注を加え、「人を植ること彼等が国の習なり、人を其地に渡して住しむるといへり」と記している。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

世界大百科事典(旧版)内の植民の言及

【移民】より

…ヨーロッパの言語では,その国の立場により〈出移民(英語emigrant,フランス語émigré)〉と〈入移民(英語immigrant,フランス語immigré)〉とに分けて使用するのが普通だが,日本ではまだ一般的ではない。〈植民〉〈殖民〉という言葉は,自国の統治権内の植民地や未開拓地に移り住むことに用いるが,19世紀までは移民との区別はそれほど明確ではない。移民の定義は国により時代によりまちまちで,最大の出移民国イギリスでさえ,1年以上の長期滞在者と短期旅行者とを区別したのは1912年からで,国連などの努力にもかかわらず,現在でもその用法の混乱は続いている。…

※「植民」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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