自称(読み)ジショウ

デジタル大辞泉 「自称」の意味・読み・例文・類語

じ‐しょう【自称】

[名](スル)
自分から名のること。真偽はともかく、名前職業肩書などを自分で称すること。「流行作家を自称する男」
人称の一。一人称
自分で自分を褒めること。
「我より外に心も剛に案も深き者あらじと―して」〈義経記・五〉
[類語]一人称二人称三人称対称他称

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精選版 日本国語大辞典 「自称」の意味・読み・例文・類語

じ‐しょう【自称】

  1. 〘 名詞 〙
  2. ( ━する ) 自ら称すること。実際はそうでないのに、あるいは、世間ではそう認めていないのに、ある身分、肩書、名前を持っていると自分で称すること。「自称大学教授」「自称画家」
    1. [初出の実例]「下総国相馬郡に都を立て、平親王と自称せしが」(出典:平治物語(1220頃か)下)
    2. [その他の文献]〔礼記‐曲礼下〕
  3. ( ━する ) 自分のことをさして呼ぶこと。
    1. [初出の実例]「小子は自称ぞ。先人に対して称する語ぞ」(出典:史記抄(1477)二〇)
  4. ( ━する ) 自分をほめること。誇示すること。自慢。
    1. [初出の実例]「東八ケ国打勝(うちすぐ)りたるよし自称仕まつる」(出典古今著聞集(1254)一〇)
    2. 「自称がましき事、ここにしるすも汗顔ながら」(出典:随筆・戴恩記(1644頃)下)
    3. [その他の文献]〔呉志‐呉範伝〕
  5. ( ━する ) 鎌倉・室町幕府の訴訟法で、相手方の主張を承認すること。承伏。
    1. [初出の実例]「当庄可綺撿断之旨、令自称之由事。訴人誰人候哉。自称実否、下賜彼状開子細候也」(出典:高野山文書‐(年未詳)(平安末)二月二三日・平家経請文)
  6. 名詞中、話し手自己をさしていう語。一人称。〔語法指南(1889)〕

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