ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ハルシャ・チャリタ」の意味・わかりやすい解説
ハルシャ・チャリタ
Harṣacarita
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… ハルシャ王は勇敢な武将であると同時に文芸の愛好者でもあり,宮廷には多数の詩人,学者が集まった。その一人バーナは,王の功績をたたえる《ハルシャチャリタHarṣacarita(ハルシャ王の治績)》を著した。王自身もまた文豪として知られ,戯曲《ナーガーナンダNāgānanda(竜王の喜び)》をはじめ幾編かの作品を今日に伝えている。…
…スリランカに伝わる《ディーパバンサ(島史)》と《マハーバンサ(大史)》は,釈迦の時代から4世紀に至るこの島の仏教史と政治史を編年史的に記したものであり,カルハナが著した《ラージャタランギニー》は,古伝承,古写本,碑文などの諸資料を駆使して書かれたカシミールの王統史である。仏教徒の間に伝わるアショーカ王伝説や,7世紀の宮廷詩人バーナBāṇaの《ハルシャチャリタ(ハルシャ王一代記)》のような,偉人伝も書かれている。 これらの諸作品が,過去・現在のできごとを後世に伝えようという熱意の所産であることはいうまでもない。…
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出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」