バフヤ・ベン・ヨゼフ・イブン・パクダ(その他表記)Bahya ben Joseph ibn Pakuda

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 の解説

バフヤ・ベン・ヨゼフ・イブン・パクダ
Bahya ben Joseph ibn Pakuda

11世紀後半在世のスペインのイスラム王朝下で活躍したユダヤの宗教哲学者。当時のユダヤ教儀礼や倫理規定など肉体的義務を重視していたのを批判して,イスラム神秘主義アラビア新プラトン主義の影響を受けながら,自己の内部での神への心構え献身を精神の義務として論じた『精神の義務』 al-Hidāyah ilā farā' id al-qulūb (1080頃) を著わした。この著作は 1161年に,ユダ・イブン・ティボンによってヘブライ語に翻訳され,さらにスペイン語,ポルトガル語,イタリア語などにも翻訳されて,のちのユダヤ教敬虔主義に影響を与えた。

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