化学辞典 第2版 「バートン反応」の解説
バートン反応
バートンハンノウ
Barton reaction
亜硝酸エステルに紫外線を照射すると,ニトロシル基NOがδ位炭素に分子内転位し,ニトロソ化合物となる反応.D.H.R. Barton(バートン)が見いだした.光解離で生じたアルコキシルラジカルは,六員環状の遷移状態を経てδ位のH原子を引き抜いてアルコールとなり,その後にNOが再結合する.δ位のC原子にもう1個のH原子があるとき(R′=H)はオキシム(ヒドロキシイミノ化合物)になる.γ位のC原子に官能基を導入する手法として有効である.
出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報