… 19世紀半ばころまでのスコッチは,こうしたモルトウィスキーの,いわば生一本で,きわめて癖の強い地酒であり,かならずしも広く飲まれてはいなかった。それが現在のような声価を得るようになったのは,パテントスチルと呼ばれる連続式蒸留機によってグレーンウィスキーが量産されるようになった結果である。パテントスチルは,1831年ダブリンのコフィーAeneas Coffeyによって発明されたが,この蒸留機の出現によって,発芽してないオオムギ,ライムギ,エンバク,トウモロコシなどの穀類が,麦芽と混ぜることでそのまま原料として使えるようになった。…
…したがって,これを連続式蒸留機といい,19世紀にブランデーやウィスキーの蒸留に使われるようになった。すなわち,フランスのアルマニャック式蒸留機とイギリスのコフィが改良したパテントスチルである。後者によって得られるグレーンウィスキーは香味が軽く,これをモルトウィスキーと調合することによって,現在スコッチの主流となったブレンデッドウィスキーがつくられるようになった。…
※「パテントスチル」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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