ビキニ島(英語表記)Bikini Island

改訂新版 世界大百科事典 「ビキニ島」の意味・わかりやすい解説

ビキニ[島]
Bikini Island

中部太平洋,ミクロネシアのマーシャル諸島共和国北西部の環礁。約30のサンゴ礁島からなり,総面積約5km2。第2次大戦前は日本の委任統治領で,戦後,アメリカの国連信託統治領となった。アメリカはビキニと近隣のエニウェトク島を原爆実験場に指定し,1946年7月ビキニで第1回目の実験を行った(ビキニ水爆実験)。54年からは水爆実験も行われ,その際に実験区域外を航行中の日本漁船第五福竜丸が水爆の灰を浴びるという事件が起きた。実験は58年まで断続的に続けられた。最初はロンゲリク島に,後にキリ島に強制移住させられた島民の島への帰還が1970年代になって許可されたが,原爆病や環境汚染の問題などがあり,帰還計画は順調に進んでいない。
執筆者:

出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

今日のキーワード

部分連合

与野党が協議して、政策ごとに野党が特定の法案成立などで協力すること。パーシャル連合。[補説]閣僚は出さないが与党としてふるまう閣外協力より、与党への協力度は低い。...

部分連合の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android