ビーム・ライフル競技(読み)びーむらいふるきょうぎ(その他表記)beam rifle

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ビーム・ライフル競技」の意味・わかりやすい解説

ビーム・ライフル競技
びーむらいふるきょうぎ
beam rifle

電子ビームを用いた銃による射撃競技。ビーム・ライフルは、日本の厳しい銃刀法令のなかで、だれでもが安全かつ無害に、また容易に、スポーツとしての精度の高い射撃ができるようにしたものである。

 ビーム・ライフル銃、標的装置、表示装置、点数記録装置および周辺機器から構成されている。ビーム・ライフル銃は、発光装置および電池が内蔵され、エア・ライフルと同じ規格でつくられている。標的関連機器は、2台のコンピュータが内蔵され、着弾点および点数がすばやく正確に表示され記録される。口径は4.5ミリで計算され、射距離10メートル射台の上に両肘(ひじ)をついて行う射撃、立射、および2姿勢の組合せの種目がある。発射弾数はいずれも40発、時間は射撃45分、その他は50分である。1972年(昭和47)より開発が始まり、73年に制式となり、75年三重国体より正式種目となり、現在国体3種目、全国高校ライフル射撃選手権大会(インターハイ)の正式種目となっている。また1985年にはビーム・ピストルも開発されている。ビーム・ライフルは、そのほかにバイアスロン用、スモールボア・ライフル用などが開発されている。

[菊地孝之]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

世界大百科事典(旧版)内のビーム・ライフル競技の言及

【射撃競技】より

… 標的は通常紙標的であるが,バルセロナ・オリンピック(1992)から〈見るスポーツ〉としての発展のため〈電子標的〉(電子的に着弾点を検出し,瞬時に得点・着弾点が射手と観客に表示でき,得点の集計が可能な標的システムで,ビームライフルの実弾版)が使用されている。
【ライフル射撃競技】
使用する弾薬に8mm以下のセンターファイア実包を使用する〈ラージボアライフル(大口径銃)競技〉,5.6mmのリムファイア実包のみを使用する〈スモールボアライフル(小口径銃)競技〉,4.5mmの鉛弾を使用する〈エアライフル(空気銃)競技〉,日本で開発された,弾を発射する代わりに光を発射して射技を競う〈ビームライフル競技〉がある。射距離は,それぞれ300m,50m,10m,10mである。…

※「ビーム・ライフル競技」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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