日本大百科全書(ニッポニカ) 「ピッチコークス」の意味・わかりやすい解説
ピッチコークス
ぴっちこーくす
pitch coke
コールタールピッチや石油ピッチを乾留して得られるコークス。硬ピッチの乾留(空気を断って熱分解すること)には、石炭コークス製造用の室炉を用いる。日本では、1968年(昭和43)から石油コークス製造用のディレイドコーカー法を用いて、軟ピッチから効率よくつくられている。石炭コークスに比べて灰分は少なく、煆焼(かしょう)により高純度の炭素となる。アルミニウム電解製錬用の陽極原料のほか1980年ころから高品位ピッチコークス(ニードルコークス)も製造され、製鋼用の成形黒鉛電極に向けられている。ほかに、炭素れんが、原子炉用黒鉛の原料としての用途がある。
[真田雄三]
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