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乾留
かんりゅう
dry distillation
空気を遮断して固体有機物を加熱分解し,留出物と残留物とに分離する操作。木炭,コークスなどは乾留残留物である。石炭の乾留によって留出物からコールタール,石炭ガス液,石炭ガスが得られ,残留物としてコークスが得られる。
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乾留【かんりゅう】
石炭や木材などの固体有機物を耐熱容器に入れ,空気を断って高温に熱し,有機物を熱分解して揮発成分と不揮発成分とに分ける操作。工業的には石炭の乾留が重要。→石炭乾留/木材乾留
→関連項目骨炭|松根油|木タール|木炭
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かん‐りゅう〔‐リウ〕【乾留/乾×溜】
[名](スル)固体の有機物を、外気を遮断して加熱分解し、揮発成分と不揮発成分とに分ける操作。石炭乾留・木材乾留など。
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かんりゅう【乾留 carbonization】
石炭,木材,ピッチなどの固体有機物を,空気の流通を断って熱分解する操作をいう。これによって可燃性のガスや液体とともに,コークスや木炭が得られる。ここでは石炭および木材の乾留について述べよう。
[石炭の乾留]
空気を供給することなく石炭を加熱すると,まず吸蔵されていた水分やガスが放出されるが,300℃くらいから熱分解が始まる。熱分解反応の開始温度は,石炭化度の低い石炭では低く,石炭化度の高い石炭では高い。
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世界大百科事典内の乾留の言及
【石炭】より
…地層の堆積がさらに進むと,この植物遺体は地中深く埋没され,地圧や地熱の影響を受け,炭素分が増し,固くなっていく。この過程が石炭化であり,その間に働く〈石炭化作用(変成作用)〉は,高圧のもとでひじょうにゆっくり進む一種の熱分解(深い地中で酸素の供給がない状態であるから,乾留ともいえる)である。 石炭化は時間とともに進み,一般に生成年代が古いほど〈石炭化度〉が高くなる。…
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