フイヤード(英語表記)Louis Feuillade

改訂新版 世界大百科事典 「フイヤード」の意味・わかりやすい解説

フイヤード
Louis Feuillade
生没年:1873-1925

フランスの映画監督。パテー映画社に次いでフランス最大の映画会社となるゴーモン社の製作責任者として,アニメーションの創始者として知られるエミール・コールをはじめ,初期(1910-25年)のフランス映画史をつくり上げるジャンデュラン,レオンス・ペレ,アンリ・フェスクール,レオン・ポアリエ,ジャック・フェデル,ルネ・クレールらの監督や,マルセル・ルベック,ルネ・ダリー,ルネ・ナバール,ミュジドラ,ジナ・マネスらのスターのほとんどすべてを育て上げた。また,一世をふうびした連続活劇ファントマ》(1913-14),《ドラルー》(1915-16),《ジュデックス》(1917)のみならず,あらゆるジャンルの映画をつくって,フランス映画のパイオニア,〈フランスのグリフィス〉とも呼ばれている。
執筆者:

出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

世界大百科事典(旧版)内のフイヤードの言及

【ファントマ】より

…1913年から14年まで製作された神出鬼没の怪盗ファントマを主人公とした連続活劇。ピエール・スーベストルPierre Souvestreとマルセル・アランMarcel Allainの新聞連載小説に基づくルイ・フイヤード監督作品。《ファントマ第1編・ベルタム事件》《ファントマ第2編・黒衣の人》《ファントマ第3編・不思議な指紋》《ファントマ第4編・仮面舞踏会の悲劇》《ファントマ第5編・偽りの長官》の5編からなり,さらに第1編が3話30場,第2編が4話46場からなるという形式のシリーズで,〈もっともおどろくべき冒険,もっとも予期できない突発事件,もっともおそろしい犯罪,もっとも複雑な葛藤(かつとう),そして自由と詩の大きな息吹き〉が当時のフランスのシュルレアリストを熱狂させ,詩人ロベール・デスノスは次のようなファントマ賛の詩を書いた。…

【フランス映画】より

…なお,先のパテー映画社はフィルム・ダール社の全作品の配給権を握ると同時に製作もした。
[ルイ・フイヤードと連続活劇]
 パテー映画社の最大のライバルはゴーモン社であった。世界最初の女流監督として知られるアリス・ギーAlice Guyの後を継いで製作責任者兼監督となったルイ・フイヤードの力で,ゴーモン社は1910年代半ばには完全にパテー映画社を追い越してフランス映画界の覇者となった。…

※「フイヤード」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

今日のキーワード

部分連合

与野党が協議して、政策ごとに野党が特定の法案成立などで協力すること。パーシャル連合。[補説]閣僚は出さないが与党としてふるまう閣外協力より、与党への協力度は低い。...

部分連合の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android