ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「フェニアン蜂起」の意味・わかりやすい解説 フェニアン蜂起フェニアンほうきFenian Uprising アイルランド独立のための秘密結社フェニアン団が,1866,70年に北アメリカで起した武装蜂起 (カナダ襲撃) 。 40年代なかばの大飢饉以来急激に増大したアイルランド系のアメリカ移民は 50年代に秘密友愛組織フェニアン団を結成。彼らは北アメリカにおけるイギリス植民地を攻撃することによりイギリス本国に打撃を与え,できればアイルランド共和国をその一隅に樹立しようと,66年5月 31日,会員数百人がアイルランドの独立を要求して武装し,ナイアガラ川を渡ってカナダに侵入,カナダの民兵隊と戦い (ライムストン・ブリッジの戦い) ,ニューヨークに引揚げた。 70年5月 25日,J.オニール指導下のフェニアン会員は再び蜂起したが撃退され,オニールはバーモント州の連邦司法官に逮捕された。カナダにとってこのフェニアンによる襲撃は,イギリス植民地における反米感情をあおり,カナダのコンフェデレーションにいたる動きを促進,強化した。 出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報 Sponserd by