ブリンズ(読み)ぶりんず(その他表記)Ed Bullins

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ブリンズ」の意味・わかりやすい解説

ブリンズ
ぶりんず
Ed Bullins
(1935― )

アメリカの黒人劇作家。フィラデルフィア市の黒人貧民街で育つ。1958年に生活の拠点をカリフォルニアに移し、戦闘的で政治色の強いリロイ・ジョーンズ(イマム・アミリ・バラカ)の演劇に影響を受け、1965年から劇作を開始する。1967年にニューヨークの黒人劇団ニュー・ラフィエット・シアターNew Lafayette Theatreに加わり、1973年まで劇作、演出、雑誌編集と多方面にわたって精力的に活動する。1980年代初頭にサンフランシスコに戻り、以後劇作家としての活動は目だたなくなっていたが、1997年に新作『ボーイ・タイムズ・マン』が上演された。貧民街に生きる下層黒人たちの悲惨な日常を描いた作品が多いが、狭義の政治劇を越える叙情性や人間観察の深さに特徴がある。代表作に『ワインを飲むころ』(1968)、『ミス・ジェイニイをものにする』(1975)などがある。

[一ノ瀬和夫]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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