プブリカニ(英語表記)publicani

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「プブリカニ」の意味・わかりやすい解説

プブリカニ
publicani

古代ローマの公共事業請負人。公共建築,鉱山採掘,塩田事業,石材切出し,ある種の税の徴収などを国家に対して請負った。特に税の徴収を請負った取税人は,おもに奴隷出身の金融業者で,請負額をこす巨額な税を属州から搾取し,多額の資本を蓄積するにいたった。のちには会社組織をも形成し,また国家に貸付けを行なった。これらの制度は前3世紀に確立し,やがて前2世紀までには騎士身分 (エクイテス ) がこれらの業務に進出,資本家層を形成した。前2世紀末以来彼らの属州搾取ははなはだしいものがあった。ユリウス・カエサルはこれら請負人に規制を加え,帝政期には彼らの業務の多くはコンドゥクトルさらには専門の役人に奪われ,わずかに鉱山開発,関税徴収などを行なったが,帝政後期には消滅した。

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