役人(読み)ヤクニン

大辞林 第三版の解説

官公庁につとめている人。官吏。公務員。
役目をもっている人。
能・芝居で演技するもの。役者。 獅子舞の-/浮世草子・五人女 1
江戸時代、本役ほんやくを負担する者。
[句項目] 役人風を吹かす

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精選版 日本国語大辞典の解説

〘名〙
① 役目のある人。役を受け持ってする人。役員。係の者。
※中右記‐大治二年(1127)八月一五日「山守事以僧為役人、誠可然也」
※太平記(14C後)二四「随兵、帯刀、直垂著、布衣の役(ヤク)人、悉く次第を守り列を引き」
② 官職に就いている人。公務に従事している人。官人。吏員。公務員。
※大内氏掟書‐一三一条・長享三年(1489)五月日「彼盗物之事、預置其所之役人批判
※開化のはなし(1879)〈辻弘想〉初「官人(ヤクニン)も品流(いへがら)で用ゆる事もなく」
③ 芸能で、役をつとめる人。役者。俳優。また、囃子方(はやしかた)などを含めていうこともある。出演者。
※申楽談儀(1430)勧進の舞台、翁の事「舞過て、面を脱ぐをも、やくにんにあらざる者取りて渡して、箱に納むべし」
④ 江戸時代、田畑・屋敷を所持し、一軒前の夫役(労役)、すなわち本役を負担する者。近世初頭における農村構成の中心をなす。役屋。
※地方凡例録(1794)一〇「年貢其外勘定の儀、〈略〉百姓に印形させ、名主より小百姓方へ手形を出し、帳の結目に役人押切判をして」
⑤ 疱瘡(ほうそう)にかかった人。
※雑俳・柳多留‐八(1773)「役人に成ると小児もむつかしい」

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世界大百科事典内の役人の言及

【役法】より

…負担形態からいえば実労働提供が本来であるが,金銭納(銭納または銀納)の場合もあり,負担基準も戸等,土地所有面積,納税額など,さまざまになっている。これらについての制度を一括して役法とよび,徭役に服務する者を役人(えきじん)という。賦役(ふえき)【岩見 宏】。…

【胥吏】より

… 胥吏は本来は庶民が無償で知的労働奉仕をする徭役の一種といえるが,行政の複雑化にともなって専門化してゆき,残った部分は戸等などによって主として自営農民に賦課される差役となる。宋代では,両者を吏人と役人(えきじん)(公人)と名づけて区別している。この役人もしだいに銭納化され,専門の人間を雇用する方向にあった。…

【本百姓】より

…17世紀前半期には年貢とともに夫役(ぶやく)を負担した役負(やくおい)百姓をさし,1660~70年代(寛文・延宝期)を境にして高請地(たかうけち)を所持する高持百姓をさすようになる。初期の検地で高請地を名請けした高請農民は,なべて年貢(生産物地代)の負担者とされるが,その中には役人,役家などと呼ばれて夫役(労働地代)を負担する役負百姓と,その負担を免れた無役のものとが含まれていた。近世初頭の段階においては,戦争,築城,灌漑工事などのために領主は多量の夫役を必要としていたので,領主の農民把握は,年貢負担の側面とともに夫役負担の側面にも深い関心を寄せていた。…

【屋敷】より

…屋敷は,百姓の場合家屋と庭と若干の菜園をもって構成され,面積も1~2反程度のものが多く,簡単な垣などで外界と区別され,屋敷神の守護する聖域という観念と表裏の関係で,年貢については賦課を行わない場と認められていた。一方,領主,土豪らの屋敷は,家屋,庭,菜園のほかに田,畠,林などをも取り込んで1町を超える面積をもつことがまれでなく,これらは通常土塁と堀で囲まれ,国衙の役人や荘園領主,守護などの立入りさえできない強い聖域性と私有性を備えていた。 屋敷は,規模の大小はあれこのように家の建つ敷地を意味するのが原義であるが,地方領主の場合,中世前期を中心にしばしばその勢力の根拠地となる所領全体が屋敷所(やしきどころ)と呼ばれ,さらには屋敷の語のみで表現されることもあった。…

※「役人」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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