ベクトル積(読み)ベクトルせき(英語表記)vector product

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ベクトル積」の意味・わかりやすい解説

ベクトル積
ベクトルせき
vector product

2つの三次元ベクトル ab があり,その大きさを ab ,その間の角を θ とするとき,大きさが ab sin θ に等しく,その方向が ab の決定する平面に垂直で,その向きが 180° より小さい角だけ ab に重ねるように回すとき右ねじの進む向きをもつベクトルを,ab とのベクトル積または外積といい,a×b または [ab] で表わす。あるいは,a×b は大きさが ab で決定される平行四辺形の面積に等しく,方向がこの面に垂直であり,ab とともに右手系をつくる向きをもつベクトルである,と表現してもよい。ベクトル積については,b×a=-(a×b) であり,交換則は成り立たない。 a=(axayaz),b=(bxbybz) とするとき,a×baybzazbyazbxaxbzaxbyaybx を成分とするベクトルになる。これを一般化して abn 次元ベクトルであり,その成分が (ai),(bi)(i=1,2,…,n) であるとき,a×bajbkakbj を成分とする2階の反対称テンソルとなる。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

カスハラ

カスタマー(顧客)とハラスメント(嫌がらせ)を組み合わせた造語「カスタマーハラスメント」の略称。顧客や取引先が過剰な要求をしたり、商品やサービスに不当な言いがかりを付けたりする悪質な行為を指す。従業...

カスハラの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android