日本大百科全書(ニッポニカ) 「マタンチマ」の意味・わかりやすい解説
マタンチマ
またんちま
Chief Kaiser Daliwonga Matanzima
(1915―2003)
南アフリカ共和国、トランスケイの黒人政治家。トランスケイのカマタに首長の子として生まれる。1939年フォートヘア大学卒業後、出身部族の行政に携わり、トランスケイ地域評議会議員、同地域統治機構議長を経て、1963年トランスケイの自治国化とともに主相(チーフ・ミニスター)就任(~1976)。1976年10月の「独立」と同時に首相(プライム・ミニスター)となり、1979年2月大統領就任。トランスケイ国民党の党首でもあった(1993年の暫定憲法制定に伴い、トランスケイは東ケープ州に組み込まれた)。南アフリカ共和国政府との協調路線をとったため、しばしば急進派の民族主義者から非難を浴びた。1987年、トランスケイ国防軍司令官B・ホロミサのクーデターにより、大統領の地位を追われた。著書に『独立、わが道』(1997)がある。
[林 晃史]