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…発生が進むにつれて前腎は退化し,その後方に中腎mesonephrosが生じる。中腎からは血管とつながった腎小体(マルピーギ小体)が形成される。円口類,軟骨魚類,硬骨魚類,両生類では中腎が生涯の腎臓として働く。…
…脊椎動物には排出器官として発達した腎臓があるが,無脊椎動物にも系統群によってそれぞれ特有の排出器官があり,排出器官では,原理的にはろ過,再吸収,分泌の三つの過程を経て尿が作られる。脊椎動物の腎臓を例にとると,まず第1段階として腎小体(マルピーギ小体)で,小動脈よりなる糸球体からそれを包むボーマン囊へ体液がろ過されるが,これは小動脈内血圧と外側の圧の差によって起こる限外ろ過であって,血球と大部分のタンパク質を除く血液成分がこし出される。つぎにこのろ液(原尿)が細尿管内を流れるあいだに,水,ブドウ糖,無機塩類などの必要な物質は再吸収されて血液中にもどり,余分な物質やろ過が不十分であった物質は,血液中から細尿管内に分泌され,最終的に尿ができる。…
…G.A.ボレリ,F.レディらとの交友を通じて生命現象の機械論的な解釈に興味をおぼえ顕微鏡を用いて生体の微細構造を精査した。この結果新しく発見されたものとして,肺の毛細血管,皮膚の感覚器官,脳の灰白質の分布,腎皮質中のマルピーギ小体などがある。また,完全な動物の生理現象を理解するには,研究がより簡単にできる不完全あるいは病的な生物を調べればよいとし,《カイコの研究Dissertatio epistolica de bombyce》(1669),《植物解剖学Anatome plantarum》(1675,79)を著したが,両著ともそれぞれの分野での先駆的業績として高く評価されている。…
※「マルピーギ小体」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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