脾臓(読み)ヒゾウ(英語表記)spleen
Milz[ドイツ]

デジタル大辞泉 「脾臓」の意味・読み・例文・類語

ひ‐ぞう〔‐ザウ〕【×脾臓】

胃の左側にあるリンパ系の臓器。リンパ球の生成、老朽赤血球の破壊、血液の貯留などの機能をもつ。脾。

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精選版 日本国語大辞典 「脾臓」の意味・読み・例文・類語

ひ‐ぞう‥ザウ【脾臓】

  1. 〘 名詞 〙 腹腔の左上部で背側寄りにあり、ほぼ楕円形の器官。人では長さ約一〇センチメートル。重さ八〇~一二〇グラム。機能的には血液を一時的に貯蔵して循環血液の量を調節したり、古くなった赤血球を破壊したりする。急性伝染病や血液疾患時に腫大(しゅだい)する。脾。よこし。ひのぞう。

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改訂新版 世界大百科事典 「脾臓」の意味・わかりやすい解説

脾臓 (ひぞう)
spleen
Milz[ドイツ]

五臓六腑の一つに数えられ,英語spleenは脾臓が気力や感情の宿るところと考えられたことから転じて,〈不機嫌〉や〈憂鬱(ゆううつ)〉の意にも用いられる。腹腔内にある内臓の一つで,古くなった赤血球の処理,リンパ球の産出,免疫による生体防御などをつかさどる最大のリンパ系器官でもある。左側上腹部にあり,上方は横隔膜,下方は左腎臓に接し,前方に胃がある。大きさは成人で長さ約10cm,幅約6.5cm,厚さ3cm内外で,重さは約150g,老人では萎縮して小さいことが多い。血液は大動脈の分枝である脾動脈を通って流入し,脾静脈から門脈に入って肝臓に注ぐ。10人に1人の割合で脾臓の周囲に同じような構造をもった,ダイズ大から親指の頭大の副脾とよばれる組織がみられる。

表面は平滑筋を含んだ繊維性の被膜capsulaでおおわれ,脾臓の割断面は煉瓦色の部分,赤色髄red pulpと灰白色のアワつぶ状の結節,白色髄white pulpに区別される。赤色髄の構造はウィーンの外科医ビルロートTheodor Billroth(1826-94)によって明らかにされた。一方,リンパ球の集合からなるリンパ組織である白色髄はM.マルピーギによって発見され,それにちなんでマルピーギ小体ともよばれる。さて,脾臓をおおう被膜はところどころで分枝して脾柱trabecula lienisとなって脾臓の実質の内部に入りこみ,比較的大きな血管が脾柱に導かれて実質内に分枝する。実質内に入って枝分れした小動脈は中心動脈とよばれ,この周囲にリンパ球がぎっしりと集まって白色髄を形成する。中心動脈の先端はさらに細分枝して毛細血管となり,赤色髄に注ぐ。赤色髄は海綿状の構造をした血管組織で,煉瓦色に見えるのは血液が充満しているためである。赤色髄の中で,1層に並んだ細長い内皮細胞でかこまれた袋状の腔を脾洞といい,その周辺で赤血球が充満した網状組織を髄索(別名ビルロート索)という。大部分の血液は髄索から脾洞へ流れこみ,静脈血となって脾柱静脈,脾静脈を経て門脈へ流れるが,一部の血液は中心動脈から直接脾洞へ入る。白色髄と赤色髄の間には明確な境界はなく,この移行部は濾胞(ろほう)周辺帯とよばれる。

胎児の時期には血球を産生する造血組織として働くが,生後骨髄での造血が主体になると造血能を失う。幼小児では,脾臓は細菌感染を防ぐうえで重要な役割を分担し,4~5歳以下で脾臓を摘出すると重症の感染に罹患しやすい。ところが,成人では脾臓なしでも正常の生活ができる。それは,脾臓の機能が他の臓器(とくにリンパ節,肝臓,骨髄)によって肩代りされるためである。脾臓は血液の含有量によって約2倍にも大きくなりうるが,他の動物とちがって正常の人では血液の貯蔵所としての役割は乏しい。正常人では脾臓はせいぜい30mlの血液を予備として全身循環に供給しうるにすぎないからである。脾臓のおもな機能には,以下のように赤血球の処理,鉄の貯蔵,血小板の貯蔵,免疫による生体防御などがある。

(1)赤血球の処理 120日の寿命がきて老齢化した赤血球は,形,水分含量,細胞膜に変化がおこり,血球全体が変形して狭い間隙をくぐり抜ける性質(これを変形能という)を失う。脾臓の赤色髄には巧妙な濾過装置があり,とくに網目状構造の髄索と内皮細胞が並んだ脾洞壁の間隙は赤血球の直径よりも狭い。そこで,老化して変形できなくなった赤血球は,髄索や脾洞壁をくぐり抜けることができないため,髄索内に抑留され,ここで待機している大食細胞マクロファージ)に貪食される。これと同じようなしくみで欠陥のある赤血球も処理され,遺伝性の溶血性貧血で赤血球が丸みを帯びて球状化する遺伝性球状赤血球症では,赤血球の変形能がわるいため脾臓にとり込まれて壊される。このような病気では,手術で脾臓を取り除く(摘脾)と,欠陥のある赤血球でも壊されずに循環するため,貧血症状が軽くなる。骨髄や肝臓も異常赤血球を処理することができ,摘脾した後のこの機能を代行するが,異常を見分ける能力は脾臓に比べて鈍感である。

(2)鉄の貯蔵 赤血球の崩壊で遊離した鉄は脾臓にたくわえられ,必要に応じて動員されてヘモグロビンの合成に再利用される。

(3)異物の貪食 細菌や粒子などの比較的粗大な異物は脾臓に運ばれると,濾胞周辺帯や赤色髄に散在している大食細胞に貪食されて処理される。

(4)血小板の貯蔵 血小板は止血に際して重要な役割をはたす血液細胞であるが,表面は粘着性を帯びているため赤色髄の網目構造にかかって抑留される。血小板の約1/3は脾臓に貯蔵される。脾臓が大きくなると貯蔵量が増し,末梢血中の血小板数は減少して出血しやすい状態となる。

(5)免疫による生体防御 白色髄はリンパ組織であり,免疫反応に関与するリンパ球を産生する。抗体を産生するリンパ球(Bリンパ球,または単にB細胞という)のほかに,ツベルクリン反応,移植の際に主役を演ずるリンパ球(Tリンパ球,T細胞)も産生する。幼児期に脾臓を取り除くと,脾臓による異物貪食能と免疫による防御反応が減弱して病気に感染しやすくなる。

脾臓が肥大し,肋骨弓から下方に突出して手で触れるようになる。この脾臓の肥大を脾腫splenomegalyという。マラリアなどの感染症,肝硬変などの門脈系の鬱血状態,白血病などの血液疾患などが大きい脾腫を起こす原因となる。脾腫があると,血球の貯蔵量が増大し,その結果末梢血中の血球が減少する。このとき手術により肥大した脾臓を摘除すると減少していた血球が正常化する。脾腫,末梢血中の血球の減少,摘脾による血球数の回復の3項目のほかに,骨髄の検査で血球産生は正常あるいはむしろ増大していることが確認されたとき,この病態を脾機能亢進症という。しばしばバンチ症候群という言葉が脾機能亢進症の同意語として使われることがある。

手術により脾臓を取り除くことを摘脾splenectomyという。外傷による脾臓の破裂,血球減少をもたらす脾機能亢進症,遺伝性球状赤血球症などの貧血で,赤血球の破壊が主として脾臓で行われている病気,脾臓で血小板が貯蔵,破壊されるために出血しやすくなる血小板減少性紫斑病などでは治療の目的で摘脾が行われる。成人では摘脾による重篤な後遺症はおこらないが,一過性の血小板,白血球(とくに好中球)の増加,赤血球内の空胞(摘脾後空胞)など末梢血液に変化が生ずる。

脊椎動物にそなわった器官であるが,その形態や機能は,動物によってかなりの差異がある。円口類(ヤツメウナギなど)や肺魚類では,腸管や胃の組織内に脾臓に相当する組織(原始的脾臓)があって,造血を行い,独立の器官としては存在しない。軟骨魚類以上になると,赤色髄と白色髄の区別も明りょうとなり,独立して腸間膜に付着する。鳥類までは,造血が脾臓の主要な機能であるが,哺乳類になると,造血は主として骨髄で行われるようになる。しかし種や年齢によっては,活発に造血しているものもあり,マウスなどでは性成熟期に達しても造血に重要な役割を演じている。
血液 →血球 →リンパ系
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日本大百科全書(ニッポニカ) 「脾臓」の意味・わかりやすい解説

脾臓
ひぞう

脾ともいう。腹腔(ふくくう)の左上部の横隔膜と左腎臓(じんぞう)との間に位置する臓器で、第9~第11肋骨(ろっこつ)の高さとなる。全体として楕円(だえん)板状で、日本人の場合、長さ約10センチメートル、幅約7センチメートル、厚さ約3センチメートル、重さ80~150グラムである。一般に女性のほうが男性に比べて軽い。脾臓は血管に富むため、外見上は暗紫色を呈している。後面はやや凸面で横隔膜に接し、これを横隔面という。前面は腹腔に面し、胃底、左腎、左結腸曲などが接触していることから、これを内臓面という。内臓面のほぼ中央部に脾動・静脈、神経が出入する脾門があり、この脾門の部分を境にして前方に胃面、後方に腎面がある。胃面と腎面との下端には左結腸曲や膵臓(すいぞう)尾部(膵尾)が接触する結腸面がある。脾門の部分を除いた脾臓の全面は、腹膜の続きである漿膜(しょうまく)に包まれている。漿膜の内側には結合組織からなる線維膜がある。漿膜と線維膜とをあわせて脾被膜とよぶ。線維膜の内面からは脾臓の内部に向かって結合組織が索状に進入するが、この索状組織を脾柱(ひちゅう)とよぶ。脾柱は脾実質内で分岐しながら互いに網の目をつくっている。脾臓に入る動脈は脾柱の中を通って分岐していく。この脾柱の網の目の内部を満たしているのが脾髄(ひずい)である。

[嶋井和世]

脾髄

脾髄には白(はく)脾髄と赤(せき)脾髄とよばれる構造がある。白脾髄はリンパ組織で、細網組織(細網細胞と細網線維)が基本の構造となっているため、白っぽくみえる。白脾髄の中には直径0.2~0.7ミリメートルの脾リンパ小節(リンパ球の集団で、イタリアの解剖学者マルピーギM. Malpighiにちなみマルピーギ小体ともいう)がある。このリンパ小節内のリンパ球はBリンパ球で、免疫(めんえき)抗体産生細胞となる。脾リンパ小節の中心には脾柱内から分かれてきた動脈の枝が通り、これを中心動脈とよぶ。中心動脈の周囲には動脈を鞘(しょう)状に取り囲んでいるリンパ組織があり、この中のリンパ球は主としてTリンパ球である。Tリンパ球は細胞性免疫に関与しており、抗原の刺激に反応して増殖し、活性化する。赤脾髄とは白脾髄以外の部分をいい、血管に富み、外見的にも赤褐色にみえる。赤脾髄は静脈性洞様血管である脾洞と、その間を埋めている脾索(細網組織)とで構成されている。脾洞の太さは20~50マイクロメートルで、迂曲(うきょく)して走っている。脾洞の壁をつくっている内皮細胞相互の間には比較的広い間隙(かんげき)があり、血球(とくに赤血球)が自由に通過する。血液は赤脾髄の中で比較的長く停留するが、その間に血液中の異物をとらえて処分するほか、老化し、破壊された赤血球を処理する。

 脾索の細網組織の網の目の中には赤血球のほか、形質細胞、大食(たいしょく)細胞、リンパ球などが存在する。大食細胞は脾細胞ともよばれ、活発な食作用を行い、老化赤血球、破壊された血球成分などを取り込む。また、大食細胞は黄褐色のヘモジデリンを含んでいるが、このヘモジデリンは肝臓に運ばれると胆汁色素を生合成する材料となる。ヒトの場合、脾臓は胎生期には造血器官として赤血球や他の血球を生産するが、生後は白脾髄で行われるリンパ球の生産だけとなる。赤脾髄は血液の貯留所であるが、多量の出血や運動時、あるいは精神的緊張時には、脾臓は収縮して貯蔵中の血液を放出する。脾臓の疾患では、とくにマラリア、腸チフス、白血病などにかかったとき、脾腫(ひしゅ)のおこることがある。よく知られているのが、バンチ病(イタリアの医師バンチG. Bantiにちなむ)の巨大脾腫である。

 なお、古くから漢方医学の「五臓六腑(ごぞうろっぷ)」に含められた脾とは膵臓のことで、現在の脾臓とは異なっている。膵臓の語は、杉田玄白(げんぱく)らが『解体新書』をつくったとき初めて訳語として登場したものである。

[嶋井和世]


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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「脾臓」の意味・わかりやすい解説

脾臓
ひぞう
spleen

腹腔の左側上部にあって,上方は横隔膜,下方は左腎臓,前方には胃があり,腹膜におおわれている。脾臓の長軸は第 10肋骨とほぼ平行線上にある。重さは約 90~120gで扁平な長楕円形を呈する。下面には,血管, リンパ管, 神経が出入りする脾門がある。外表面は腹膜につながる漿膜 (被膜) におおわれる。その漿膜は脾門から大網の前葉を経て胃の大彎 (胃脾間膜) と横隔膜下面 (横隔膜間膜) で脾臓を腹腔内固定している。脾膜は,脾臓の実質に入り,互いに吻合して,大きな網目による結合組織の立体網をつくる。これらは脾柱といわれ,脾門より脾臓に出入りする血管,リンパ管,神経が脾柱の中を伸びて分布している。脾柱の間は脾髄といわれ,白脾髄 (リンパ球の集団) と赤脾髄 (血液を満たした網状組織) がある。脾髄の基本構造は,リンパ節や骨髄などの構造と原則的に同じである。白脾髄の末端は膨大してリンパ小節となり,ここに胚中心が発達する。
白脾髄は脾柱とリンパ小節から構成され,後者はマルピーギ小体と呼ばれ,発育しつつあるリンパ球の集団体である。赤脾髄は静脈性洞様毛細血管である脾洞と,その間を満たす海綿状の細網組織の脾索あるいはビルロート索によって構成されている。
脾臓における血液の流れは,腹腔動脈から脾動脈→脾臓→脾静脈→門脈→肝臓へ流れる。脾臓の重量は内部に存在する血液量によって異なるが,200gをこえることはない。門脈の血量に障害が生じると, 脾臓はうっ血により腫大する。つまり脾臓は門脈の血量に左右され,門脈は消化機能との関係が密接であることから, 脾臓と消化機能は関連を有するといえる。
脾門より入った脾動脈は脾柱を脾柱動脈として走り, そして脾髄で脾髄動脈 (リンパ組織の鞘に包まれる) となる。脾髄動脈は中心動脈 (白脾髄のリンパ小節を通る) となり,さらに筆尖動脈 (内皮の筒) に連なる。この動脈の多くは細網組織からなる特殊な莢に包まれているので莢動脈ともいわれる。莢動脈も含めて筆尖動脈は直接赤脾髄の静脈洞へ連なる。それから,静脈洞は脾柱静脈→脾静脈 (脾門) となる。
脾臓は血球形成系の重要な一部分を占めている。また,人体の中で最も巨大なリンパ器官ともいうことができ,細網内皮系の一つとして疾病に対する防御機能をそなえている。いわゆる,細菌や異物を摂取したり,これらを無毒化するとともに,通過する血液やリンパ液をろ過する役目を果している。 (1) リンパ球の産生 白脾髄末端のリンパ小節にある胚中心で増殖するのは骨髄依存型 (Bリンパ球) で,免疫抗体産生細胞である。中心動脈周囲の鞘状に取囲むリンパ組織は主としてTリンパ球である。Tリンパ球は細胞免疫に関連しており,抗原を刺激,反応して増殖して活性化する。 (2) 赤血球の破壊 約4ヵ月の寿命をまっとうした赤血球は脾索や脾洞壁の大食細胞により破壊される。 (3) 生体防御 異物や細菌を大食細胞が除去する。また,血中の過剰の脂質を大食細胞が摂取し,たくわえる。赤脾髄は血液の貯蔵所であるが,多量の血液や運動時あるいは精神的緊張時には脾臓は収縮して貯蔵中の血液を放出する。
全身性の炎症および代謝疾患あるいは血液疾患でしばしば脾臓は腫大する。同時に,脾臓より分泌されるホルモン様物質が骨髄系細胞の成熟を抑制するため,脾腫があれば二次的に末梢血液要素が減少をきたす。脾臓は成人では生命維持に不可欠なものではない。脾臓の機能は他の臓器 (大部分はリンパ組織) によって代謝機能が行われる。しかし,脾臓切除は一時的な抗体産生の低下をきたし,潜伏性あるいは軽微な感染性の再発を促すことがある。

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内科学 第10版 「脾臓」の解説

脾臓(造血臓器の構造と機能)

(2)脾臓
 脾臓は,左肋骨弓下部に位置し健常成人の平均重量は100~120 gである.表面を被膜で覆われ,被膜から進入する結合組織性の脾柱が複雑に絡み合って細網を形成し,その中に実質である脾髄が含まれる(図14-2-4).脾髄は灰白色の白脾髄と赤脾髄とに分かれる.白脾髄は小リンパ球からなり,動脈周囲リンパ球鞘の所々に二次小節を形成する.動脈周囲リンパ球鞘はTリンパ球からなる胸腺依存領域であり,二次小節および胚中心はBリンパ球からなる.赤脾髄は拡張した毛細血管が網状に広がる脾洞とその間をうずめる各種の血球が詰まった脾索からなる.赤脾髄では動脈は脾索内に解放しており,血液は脾索を流れたあと脾洞内へ流入する.脾臓は,異物や老化赤血球などを処理するフィルターとして機能する.[松村 到]
■文献
Abboud CN, Lichtman MA: Structure of the marrow and the hematopoietic microenvironment. In: Williams Hematology, 7th ed (Lichtman MA ed), pp35-72, McGraw-Hill, NY, 2006.
Dacie JV, Lewis SM: Practical Hematology, 7th ed, Churchill Livingstone, Edinburgh, 1991.
Kipps TJ: The lymphoid tissues. In: Williams Hematology, 7th ed (Lichtman MA ed), pp73-81, McGraw-Hill, NY, 2006.

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百科事典マイペディア 「脾臓」の意味・わかりやすい解説

脾臓【ひぞう】

脊椎動物の造血・リンパ器官。哺乳(ほにゅう)類以外では主要な造血の場で,哺乳類では幼児期のみで,成体になると,造血機能は骨髄に移る。ヒトでは,腹腔左上部で横隔膜の下にあり,赤褐色。胃底や左腎に接する。成人で長さ10cm,幅6.5cm,厚さ3cmほどの大きさで,リンパ節に似た構造であるが,血液も出入する。被膜に包まれた内部には赤脾髄と白脾髄がある。赤脾髄には血管が分岐した脾洞が含まれ,白脾髄はリンパ小節からなる。赤脾髄では古くなった赤血球がこわされ,胎生期には造血も行われる。白脾髄ではリンパ球が産生される。その他血流中の異物を取り押さえる働きや,免疫に関連した働きがある。
→関連項目結腸脾腫リンパ系

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家庭医学館 「脾臓」の解説

ひぞう【脾臓】

 脾臓とは、左上腹部の横隔膜(おうかくまく)の下に位置する重さ100~150gの臓器で、多量の血液が存在します。
 血液は、腹腔動脈(ふくくうどうみゃく)から分岐(ぶんき)した脾動脈(ひどうみゃく)から脾臓に入り、脾静脈(ひじょうみゃく)に出た後、肝臓へ血液を送るルートである門脈(もんみゃく)に注いでいます。
 脾臓のはたらきは、リンパ組織の1つとして、からだの防御機構をになうことと、古くなった血球の処理を行なうことです。

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栄養・生化学辞典 「脾臓」の解説

脾臓

 リンパ系の器官で,胃の近辺にある.

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