日本大百科全書(ニッポニカ) 「ヤスリヘビ」の意味・わかりやすい解説
ヤスリヘビ
やすりへび
wart snake
elephant's trunk snake
爬虫(はちゅう)綱有鱗目(ゆうりんもく)ヤスリヘビ科に属するヘビの総称。別名イボミズヘビ、ゾウハナヘビ。この科Acrochordidaeにはヤスリヘビ属Acrochordusの3種が含まれる。全長1.8~2.3メートルのヤスリヘビA. javanicusがタイ、大スンダ列島に、全長1メートルのヒメヤスリヘビA. granulatusがインド、東南アジアからソロモン諸島までに、全長約1.4メートルのアラフラヤスリヘビA. arafuraeがアラフラ海沿岸地方に分布する。川や湖に生息し、ヒメヤスリヘビは海にも出る。胴は円筒形で尾が短く、やすりのような隆条をもつ細鱗に全身を覆われる。水底に横たわってあまり動かず、餌(えさ)はおもに魚類である。卵胎生で10~30頭の子ヘビを産む。
[松井孝爾]