デジタル大辞泉
「卵胎生」の意味・読み・例文・類語
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らん‐たいせい【卵胎生】
- 〘 名詞 〙 動物の有性生殖で、新個体は卵でなく、幼生の形で産出されるものの一つ。ただ母体内にある胚は、母体と組織的に結合することなく独立し、卵自身の卵黄から栄養をとり発育・孵化するに過ぎない。哺乳類のように母体と組織的に結合し、栄養的に依存する真の胎生と区別していう。マムシ・タニシ・タナゴ・グッピーなどに見られる。
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例
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卵胎生
らんたいせい
ovoviviparity
動物の発生において,体内受精した卵が母体内で孵化後,母体と密接な組織的結合をもたないまま,ある程度成長したのちに母体外に出る様式。卵生と胎生の間に位置するといえる。栄養上で母体に依存する程度はさまざまで,タニシやマムシのようにほとんど母体の栄養に依存しないものから,ウミタナゴのように体上皮,鰓孔(さいこう)を経て母体の卵巣から栄養をとるもの,さらにサメ類,エイ類など多くの軟骨魚類のように,卵黄嚢により母体の生殖巣と連絡して,母体から直接に栄養を摂取するものまである。なかでも,ホシザメは胎盤に近い構造が発達し,真の胎生との相違は明らかでなくなる。卵胎生と胎生を厳密に区別する必要はないとする意見もある。
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
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卵胎生
らんたいせい
動物の発生に際し、体内受精した卵が母体内で孵化(ふか)後、母体と密接な組織的結合をもたないまま、ある程度成長したのちに母体外に出る様式をいう。すなわち卵生と胎生の間に位置するといえる。卵胎生においては、栄養上で母体に依存する程度はさまざまで、タニシやマムシのようにほとんど母体の栄養に依存しないものから、ウミタナゴのように体上皮、鰓孔(さいこう)を経て母体の卵巣から栄養をとるもの、さらにサメ、エイなどの軟骨魚類の多くのように、卵黄嚢(のう)により母体の生殖巣と連絡して、母体から直接に栄養を摂取するものまである。なかでも、ホシザメでは胎盤に近い構造が発達し、真の胎生との相違は明らかでなくなる。
[雨宮昭南]
出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例
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卵胎生 (らんたいせい)
ovoviviparity
動物の生殖の一型式。受精卵が母体内で孵化し,ある程度発生が進んだ胚を生む型式をいう。ただし狭義の胎生のように胚が母体からの栄養の補給を受けることはなく,みずからの卵黄を消費して発生を進める点で狭義の胎生と区別される。この型式をもつものとしては,マムシ,タニシ,グッピー,アリマキなどが有名である。なお体内で孵化はしないけれども,鳥類のように受精をしてのちある程度発生が進行してから産卵するものをも広義に卵胎生と呼ぶことがある。
→胎生
執筆者:石居 進
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
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卵胎生【らんたいせい】
卵生の動物で母の体内で卵から孵化(ふか)した後に体外へ産み出されること。真の胎生とは違って普通は母体から直接に栄養の補給は受けない。マムシ,タニシや,ウミタナゴ,グッピーなど一部の魚類のほか,昆虫でもアリマキなどの例が知られる。なお軟骨魚類にはサメ,エイのように体内で孵化した後にも母体から不完全ながら栄養の補給を受ける例も知られる。
出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報
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世界大百科事典(旧版)内の卵胎生の言及
【胎生】より
…哺乳類のように,胚が発達していくに際して,[胎盤]という特別な構造を通して,母体から栄養の補給を受けている形式を狭義の胎生という。一方,酸素や二酸化炭素の交換は別として,胚発生に必要な栄養を母体にたよらず,もっぱら卵黄によっているような場合を卵胎生といって,狭義の胎生と区別する。多くの魚類は卵生であるが,なかには胎生もしくは卵胎生の種類もあり,ことに軟骨魚類に多い。…
【胎盤】より
…胎盤形成を伴う生殖様式は真胎生と呼ばれる。胎盤形成を伴わない胎生は,卵胎生と呼ばれることがあるが,真胎生と卵胎生の区別は明確につけにくい場合も少なくない。真胎生を厳密に定義して,事実上哺乳類以外はすべて卵胎生と考える研究者もあるが,本項においては,胎盤形成の認められる種はすべて真胎生とする。…
※「卵胎生」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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