日本大百科全書(ニッポニカ) 「ヤマタニシ」の意味・わかりやすい解説
ヤマタニシ
やまたにし / 山田螺
[学] Cyclophorus herklotsi
軟体動物門腹足綱ヤマタニシ科の巻き貝。陸産種で、本州から九州の屋久(やく)島、朝鮮半島南部に分布し、山林の落葉下の礫(れき)の間にすむ。殻高22ミリメートル、殻径21ミリメートルに達する。殻は厚く、螺層(らそう)は5階で各層はよく膨らみ、螺管は丸い。殻表には褐色の殻皮をかぶり、臍孔(へそあな)は狭くて深い。マイマイ類と異なり蓋(ふた)をもち、蓋は褐色で丸く多旋形である。近縁種のオキナワヤマタニシC. turgidusは、奄美(あまみ)諸島以南に分布し、本種に似ているが体層の周縁に弱い角(かど)がある。
[奥谷喬司]