ヤマタニシ(読み)やまたにし

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ヤマタニシ」の意味・わかりやすい解説

ヤマタニシ
やまたにし / 山田螺
[学] Cyclophorus herklotsi

軟体動物門腹足綱ヤマタニシ科の巻き貝。陸産種で、本州から九州の屋久(やく)島、朝鮮半島南部に分布し、山林の落葉下の礫(れき)の間にすむ。殻高22ミリメートル、殻径21ミリメートルに達する。殻は厚く、螺層(らそう)は5階で各層はよく膨らみ、螺管は丸い。殻表には褐色の殻皮をかぶり、臍孔(へそあな)は狭くて深い。マイマイ類と異なり蓋(ふた)をもち、蓋は褐色で丸く多旋形である。近縁種のオキナワヤマタニシC. turgidusは、奄美(あまみ)諸島以南に分布し、本種に似ているが体層の周縁に弱い角(かど)がある。

[奥谷喬司]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

今日のキーワード

南海トラフ臨時情報

東海沖から九州沖の海底に延びる溝状の地形(トラフ)沿いで、巨大地震発生の可能性が相対的に高まった場合に気象庁が発表する。2019年に運用が始まった。想定震源域でマグニチュード(M)6・8以上の地震が...

南海トラフ臨時情報の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android