化学辞典 第2版 「ヨードニウム化合物」の解説
ヨードニウム化合物
ヨードニウムカゴウブツ
iodonium compound
ヨウ素が2個のアルキル基,アリール基などと共有結合をし,共有結合原子価2の陽イオンの構造をなす化合物.一般式[RIR′]+ X-で表される.X=OHの化合物をヨードニウム塩基といい,Xがハロゲン,そのほかの酸基の場合をヨードニウム塩という.ヨードシルベンゼンとヨージルベンゼンの混合物を水に懸濁させ,酸化銀を加えて加熱すると,ヨードニウム化合物が次のように生成する.
C6H5IO + C6H5IO2 + AgOH → [(C6H5)2I]+OH- + AgIO3
水酸化ジフェニルヨードニウム[(C6H5)2I]+OH-は,水酸化第四級アンモニウムに似た性質を示す.ヨウ化ジフェニルヨードニウム[(C6H5)2I]+ I-,塩化ジフェニルヨードニウム[(C6H5)2I]+ Cl-,硝酸ジフェニルヨードニウム[(C6H5)2I]+NO3-などは第四級アンモニウム塩に似た性質を示す.[別用語参照]オキソニウムイオン
出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報