普及版 字通 の解説
12画
[字訓] みだれる・おさめる
[説文解字]
[金文]
[字形] 象形
架糸の上下に手を加えている形。分解していえば、幺(よう)は糸、冂(けい)は架の形で、その上に爪、下に(又)、すなわち両手を加える形。四形合わせて全体象形の字である。〔説文〕四下に「治むるなり。幺子(えうし)相ひ亂る。(へう)は之れを治むるなり」といい、亂(乱)と同声であるという。また「一に曰く、理(をさ)むるなり」とあって、理治の意とする。に対し、骨べらの形である乙(いつ)を加えた亂が、その紊(みだ)れを解く形で、「治むるなり、理(をさ)むるなり」と訓すべき字。に対して亂が対待の義となる。金文の〔牧(ぼくき)〕に「廼(すなは)ち(みだ)るること多し」、〔生(ちようせいき)、一〕に「余(われ)敢て(みだ)さず」とみえる。のち亂にの訓を誤り加えて、亂に正反の二義ありとし、反訓の説を生じたが、本来反訓というべきものがあるのではない。
[訓義]
1. みだれる。
2. おさめる。
[語系]
・亂・luanは同声。・と亂とは対待の義。理治の字に理・釐liがあり、同系の語、紊れることを婪lmという。
出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報