日本大百科全書(ニッポニカ) 「リュウガヤスデ」の意味・わかりやすい解説
リュウガヤスデ
りゅうがやすで / 龍河馬陸
節足動物門倍脚(ばいきゃく)綱ヒメヤスデ目リュウガヤスデ科の1属Skleroprotopusの総称。日本では最初に高知県龍河洞(りゅうがどう)から発見されたのでこの名がある。全長30~40ミリメートル、細長い円筒状で、黒褐色ないし褐色。胴部は約50個の環節からなる。頭の左右に集眼がある。第1歩肢は棍棒(こんぼう)状に曲がって口器の一部をなしていることが特異である。洞穴内に特殊化した種としてリュウガヤスデ(龍河洞)、ナガトリュウガヤスデ(山口県秋吉台)、オオセリュウガヤスデ(熊本県大瀬洞)などがあるが、これらの種は洞外にもすむ。関東地方以西に分布し、朝鮮半島、中国東部にも別種が分布している。
[篠原圭三郎]