オフィティック組織(読み)オフィティックそしき(その他表記)ophitic texture

岩石学辞典 「オフィティック組織」の解説

オフィティック組織

輝緑岩組織(diabasic texture),ドレライト組織(doleritic texture)はいずれも同じ意味で用いられる[Rosenbusch : 1882].オフィティック組織は輝石の結晶が自形または半自形の短冊状の斜長石により貫かれている組織で,輝緑岩に特徴的な組織である[Michel-Levy : 1877, Fouque & Michel-Levy : 1879].自形または半自形の短冊状の斜長石が輝石結晶で一部または完全に取囲まれる組織.斜長石の結晶が大きな輝石粒に完全に取囲まれている場合はポイキリティック組織に近くなり,ポイキロフィテイック(poikilophitic)として区別される.他の鉱物組み合わせにも類似の組織を示すものがある.輝石の結晶が十分に大きくないと斜長石結晶の一部だけが輝石に取り込まれる.このような組織をサブオフィティック(subophitic)という.サブオフィティック組織は輝石と斜長石とがほぼ同時に晶出するときに発達する.オフィティック(ophitic)はピレネー地方のophiteに由来する語で,ophiteはオフィティック輝緑岩(ophitic diabase)である.ギリシャ語のophitesは蛇に似ているの意味である.発散放射状組織(divergent-radiating texture),発散粒状組織(divergent-granular texture)[Lossen : 1892].

出典 朝倉書店岩石学辞典について 情報

今日のキーワード

カイロス

宇宙事業会社スペースワンが開発した小型ロケット。固体燃料の3段式で、宇宙航空研究開発機構(JAXA)が開発を進めるイプシロンSよりもさらに小さい。スペースワンは契約から打ち上げまでの期間で世界最短を...

カイロスの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android