翻訳|plagioclase
三斜晶系に属する、ナトリウムとカルシウムを主成分とする一連の長石類の総称。ナトリウムの多いものからカルシウムの多いものまで、化学組成によって順に、曹長石、灰(かい)曹長石、中性長石、曹灰長石、亜灰長石、灰長石の6種に分類されている。しかし、鉱物学的に独立した種として認められているものは、端成分である曹長石と灰長石の2種類のみである。造岩鉱物としてきわめて重要な位置を占める。一般に火成岩中では、酸性のものにはナトリウムの多い斜長石が、塩基性のものにはカルシウムの多い斜長石が産出する。また低温生成の変成岩にはナトリウムの多いものが、高温生成の変成岩にはカルシウムの多いものが産出する。斜長石は種々の双晶をしており、それによって化学組成、生成温度、産状など推定する手掛りとなる。英名は、劈開(へきかい)による角度が斜めになっているところから、斜めの割れ口を意味するギリシア語に由来する。
[松原 聰]
英名 | plagioclase |
化学式 | NaAlSi3O8~CaAl2Si2O8 |
少量成分 | K |
結晶系 | 三斜 |
硬度 | 6~6.5 |
比重 | 2.6~2.8 |
色 | 白,灰,青白 |
光沢 | ガラス |
条痕 | 白 |
劈開 | 二方向に完全(「劈開」の項目を参照) |
曹長石 | (NaAlSi3O8)100~90 (CaAl2Si2O8)0~10 |
灰曹長石 | (NaAlSi3O8)90~70 (CaAl2Si2O8)10~30 |
中性長石 | (NaAlSi3O8)70~50 (CaAl2Si2O8)30~50 |
曹灰長石 | (NaAlSi3O8)50~30 (CaAl2Si2O8)50~70 |
亜灰長石 | (NaAlSi3O8)30~10 (CaAl2Si2O8)70~90 |
灰長石 | (NaAlSi3O8)10~0 (CaAl2Si2O8)90~100 |
アルバイトNaAlSi3O8(Ab)とアノーサイトCaAl2Si2O8(An)との間の固溶系列を総称して斜長石と呼び,組成をAbxAn100-xで表す。組成範囲によって次のような名が与えられている。Ab100An0~Ab90An10=アルバイトalbite(曹長石),Ab90An10~Ab70An30=オリゴクレースoligoclase(灰曹長石),Ab70An30~Ab50An50=アンデシンandesine(中性長石),Ab50An50~Ab30An70=ラブラドライトlabradorite(曹灰長石),Ab30An70~Ab10An90=バイトウナイトbytownite(亜灰長石),Ab10An90~Ab0An100=アノーサイトanorthite(灰長石)。斜長石は,火成岩をはじめ変成岩,堆積岩に広く産する。高温ではアルバイトとアノーサイトの間で連続的な固溶体をつくるが,温度が下がるといくつかの相に分かれ,複雑な組織の原因となっている。三斜晶系に属し,へき開は{001},{010}に良好。比重は2.62,モース硬度6。ガラス光沢を有し,色は通常,白または灰色。
執筆者:田賀井 篤平
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…天然に産する長石は,ほとんどCaAl2Si2O8(アノーサイト,An),NaAlSi3O8(アルバイト,Ab),KAlSi3O8(カリ長石,Or)を端成分とする三成分系に属し,その組成はOrxAbyAnz(x+y+z=100)のように表現される。アノーサイトとアルバイトの間の固溶系列を斜長石,アルバイトとカリ長石の間の固溶系列をアルカリ長石と呼ぶ。またカリ長石とアノーサイトの間の固溶系列は,天然には見いだされていない。…
※「斜長石」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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