キ・のこぎり・かま(漢字)

普及版 字通 の解説


16画

[字音]
[字訓] のこぎり・かま

[説文解字]

[字形] 形声
声符は奇(き)。奇は掘鑿の器。〔説文〕十四上に「(そぎよ)なり」とあり、前条に「なり。(ぎよ)、或いは吾に從ふ」とあり、鋸(のこぎり)をいう。また、のみをもいう。奇は剞(きけつ)、のみの形に従う字。〔説文〕になお「江淮の、釜を謂ひてと曰ふ」とあり、なべ・かまの類。足あるものを、足なきものを釜という。字形から考えると、鬲のように土中に立てるような器形の称であろう。

[訓義]
1. のこぎり。
2. のみ、掘鑿の器。
3. かま、足のあるかま。
4. ゆみかけ。蘭(らんき)という。
5. 欹と通じ、かたむく。

[古辞書の訓]
〔名義抄〕 アシナヘ・チリバム・ウツハヤシ〔字鏡集〕 チリバム・ナベ・ウツハヤ(シ)・アシカマ・アシナヘ

[語系]
鋸の初形は我。我は鋸の象形字。我を一人称代名詞に用いるに及んで、鋸その他の字が作られた。我ngaingai、ngiaは声近く、鋸kia、剞kiaiもその系統の語。みな鋸をひくときの擬声語である。

[熟語]

[下接語]
・釜・蘭

出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報