ソレアイト質系列(読み)ソレアイトしつけいれつ(その他表記)tholeiitic series

岩石学辞典 「ソレアイト質系列」の解説

ソレアイト質系列

ソレアイト質系列では,結晶分化作用に際して残液のSiO2があまり増加せず,FeOが増加する.一般に非造山地域の非アルカリ玄武岩の大部分がソレアイト質系列に相当し,安定大陸や大洋に産出する.デカン高原やコロンビア川地域の玄武岩がこれに相当し,これらの玄武岩はソレアイト質マグマ型でソレアイト質系列である.スカエルガードの斑糲(はんれい)岩もこれに相当する.この系列の岩石の進化は,ソレアイト質玄武岩→ソレアイト系列安山岩→ソレアイト系列石英安山岩→流紋岩と進化する.この系列の岩石はカルク・アルカリ系列の安山岩,石英安山岩に比べて,SiO2の含有量が同様の岩石ではFeO/MgO比が大きくFeOが多い.ソレアイト質系列の岩石に含まれる主要な有色鉱物は,Mg-橄欖(かんらん)石,斜方輝石,Fe-ピジョン輝石の順で晶出する.最後にFe-橄欖石が晶出することもある.これらの晶出と平行してCaに富む単斜輝石(透輝石またはオージャイト)が晶出し,FeOに富む輝石へと変化する.石基にはシリカ鉱物が含まれることがある[鈴木 : 1994].

出典 朝倉書店岩石学辞典について 情報

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