ドロボ(読み)どろぼ(英語表記)Dorobo

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ドロボ」の意味・わかりやすい解説

ドロボ
どろぼ
Dorobo
Ndorobo

アフリカ、ケニア西部および北部の広い地域と、わずかだがタンザニアウガンダに、小グループに分かれて住む狩猟採集民総称。彼らの言語はさまざまで、クシ語、マサイ語、カレンジン語などを含む。ドロボという名はマサイ語のイル・トロボ(「貧しい人」の意)から派生したスワヒリ語からつけられている。マサイの目を通してみたこれらの狩猟採集民は、牛をもっておらず、したがって野生動物を食べねばならない貧しい人々だったのである。そのため商人や探検家はこれらの人々の差異を無視し、一括してドロボとよぶことになった。これらのグループのなかにはオキエクOkiek、サニィエSanye、コルコロKorkoro、ダハロDahalo、サンダウェSandawe、イクIk、ヤークYaakなどがある。このうちもっともよく知られているのはカレンジン語に近い言語を話すオキエクで、ケニアの高地森林地帯のほとんどすべての地域に30以上の小グループに分かれて住んでいる。

加藤 泰]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

今日のキーワード

排外主義

外国人や外国の思想・文物・生活様式などを嫌ってしりぞけようとする考え方や立場。[類語]排他的・閉鎖的・人種主義・レイシズム・自己中・排斥・不寛容・村八分・擯斥ひんせき・疎外・爪弾き・指弾・排撃・仲間外...

排外主義の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android