パズラー小説(読み)パズラーしょうせつ

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「パズラー小説」の意味・わかりやすい解説

パズラー小説
パズラーしょうせつ

松本清張先駆とするいわゆる社会派推理小説に対して,謎解きの論理性を重視しようとするものを本格派推理小説という。近年,この本格派のなかに,京都大学,同志社大学など大学の推理小説研究会出身の書き手が,『占星術殺人事件』の著者島田荘司を兄貴分とするグループを形成し,新本格派と称している。彼らの書くものにパズラー小説と名づけたのは出版社だが,リアリティーや社会性よりも知的なエンターテインメントとして論理の純粋性に固執するその傾向は,確かに新しい世代の登場を示しているということができる。おもな作家に,綾辻行人,法月綸太郎,有栖川有栖,我孫子武丸,歌野晶午らがいる。

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