日本大百科全書(ニッポニカ) 「ビトリア(スペイン)」の意味・わかりやすい解説
ビトリア(スペイン)
びとりあ
Vitoria
スペイン北部、バスク地方アラバ県の県都。人口21万6852(2001)。エブロ川支流が流れる盆地内に細長く延びた丘陵上の標高550メートルに旧市街がある。西ゴート起源と考えられている要塞(ようさい)都市であったが、ナバラ王国時代にはその保護により商工業の中心として発展した。サンタ・マリア大聖堂(14世紀)や城(15世紀)、細い道路、古い家などが旧市街に残っている。その後鉄道が敷かれ、家具や農耕機械などの工場が駅周辺に立地した。現在は自動車、化学工業も発展している。近世スペインの神学者であり、今日の国際法の先駆をなす思想を説いたフランシスコ・デ・ビトリアの生地。
[田辺 裕・滝沢由美子]