ブラウンセカール(英語表記)Charles Édouard Brown-Séquard

改訂新版 世界大百科事典 「ブラウンセカール」の意味・わかりやすい解説

ブラウン・セカール
Charles Édouard Brown-Séquard
生没年:1817-94

フランスの生理学者。イギリス領モーリシャス島で,アメリカ人ブラウンCharles Edward Brownを父とし,フランス人セカールCharlotte Séquardを母として生まれた。1838年パリへ出て医学を修め,40年学位を得た。それ以後,実地診療のかたわら神経系の病気を治療する必要から各種の電気生理学に関する実験を試み成果を収め,またブラウン・セカール症候群を記載した。そして78年C.ベルナールの後任としてコレージュ・ド・フランスの教授となる。また,その間彼が試みた副腎摘出実験や睾丸エキス注射などは,内分泌学および臓器療法先駆をなすものとして注目される。
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出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

世界大百科事典(旧版)内のブラウンセカールの言及

【ブラウン・セカール症候群】より

…脊髄の半側が障害されたとき,特有のパターンの知覚異常と運動麻痺を生ずるものをいう。病名は動物の脊髄半側切断に関するブラウン・セカールの研究にちなんでつけられた。この症候群では病変のあるレベル以下において,病変と同側では運動麻痺,深部知覚障害および一部の触覚障害が起こり,反対側では温度覚,痛覚の障害と軽い触覚障害が生ずる。脊髄内には,知覚を伝える神経繊維が脊髄後根から入って上行し,運動をつかさどる神経繊維(この神経路を錐体路という)が下行している。…

※「ブラウンセカール」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」