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臓器療法 ゾウキリョウホウ

デジタル大辞泉の解説

ぞうき‐りょうほう〔ザウキレウハフ〕【臓器療法】

動物の臓器や臓器製剤を用いて、病気や機能障害を治療する方法。

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大辞林 第三版の解説

ぞうきりょうほう【臓器療法】

動物の臓器からの抽出物を用いて当該臓器の機能障害あるいは疾病を治療する方法。

出典 三省堂大辞林 第三版について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

臓器療法
ぞうきりょうほう

動物の臓器から抽出したエキスを用いて、その臓器やその他の疾患を治療する方法である。通常、食用に供されるウシやブタが多く使われる。このうち、現在広く使用されているエキスはホルモン(内分泌)系であり、その多くは化学的に合成される薬剤である。おもなものを次にあげる。(1)乾燥甲状腺(せん) ウシやブタの甲状腺の乾燥末(脂肪や結合織を除去したもの)で、甲状腺ホルモン作用がある。慢性甲状腺炎そのほか甲状腺機能低下症に適応とされ、現在なお広く使われている。(2)インスリン 健康なウシやブタの膵臓(すいぞう)から抽出した血糖降下作用のあるホルモンで、1921年カナダのバンティングらにより発見され、糖尿病の治療に用いられたが、現在では合成されている。(3)酢酸コルチゾン 1936年にケンドルーがウシの副腎(ふくじん)より抽出し、1949年にヘンチはリウマチに有効とした。現在は副腎皮質ホルモンとして化学的に合成され、副腎機能不全のアジソン病をはじめ、下垂体前葉機能不全、リウマチ、炎症、膠原(こうげん)病のほか、種々のショック状態に適応とされている。(4)エピネフリン(アドレナリン) 1894年イギリスのオリバーWilliam Silver Oliver(1836―1908)が、副腎エキスを動物に注射して血管収縮による血圧上昇作用のあることを発見した。現在は化学的合成で種々のものがつくられ、循環系不全に広く使われている。(5)バソプレッシンとオキシトシン ともに下垂体後葉から抽出され、前者は抗利尿ホルモン作用があり尿崩症に、後者は子宮収縮作用をもち分娩(ぶんべん)誘発や分娩後弛緩(しかん)性出血にそれぞれ使われている。(6)男性ホルモンと女性ホルモン 1889年セカールはイヌの睾丸(こうがん)エキスを使って男性ホルモン作用をみたが、現在、アンドロゲン(男性ホルモン)とエストロゲン(女性ホルモン)は化学的合成品が広く使用されている。
 以上、これらのホルモンは、特定ホルモンの補充という一種のホルモン療法に属する。なお、臓器製剤は強壮剤や免疫剤として登場したものもあるが、化学成分の解析が困難で、脚光を浴びていないのが現状である。これらは将来にわたる分野であろう。[妹尾亘明]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

世界大百科事典内の臓器療法の言及

【臓器製剤】より

…動物のいろいろな臓器を病気の治療や強壮剤として用いる療法を臓器療法organotherapyといい,これに用いる薬剤を臓器製剤という。臓器療法は草根木皮とともに非常に古くから行われた。…

※「臓器療法」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社日立ソリューションズ・クリエイト世界大百科事典 第2版について | 情報

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