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プブリカニ publicani

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

プブリカニ
publicani

古代ローマの公共事業請負人。公共建築,鉱山採掘,塩田事業,石材切出し,ある種の税の徴収などを国家に対して請負った。特に税の徴収を請負った取税人は,おもに奴隷出身の金融業者で,請負額をこす巨額な税を属州から搾取し,多額の資本を蓄積するにいたった。のちには会社組織をも形成し,また国家に貸付けを行なった。これらの制度は前3世紀に確立し,やがて前2世紀までには騎士身分 (エクイテス ) がこれらの業務に進出,資本家層を形成した。前2世紀末以来彼らの属州搾取ははなはだしいものがあった。ユリウス・カエサルはこれら請負人に規制を加え,帝政期には彼らの業務の多くはコンドゥクトルさらには専門の役人に奪われ,わずかに鉱山開発,関税徴収などを行なったが,帝政後期には消滅した。

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世界大百科事典内のプブリカニの言及

【徴税請負】より

…中国でも類似した請負が存在したが,必ずしもヨーロッパ世界のそれと厳密に対応したものではなかった。
【ローマ】
 急速に支配領域を拡大し,大帝国を形成した共和政後期のローマにおいては,官僚機構の整備が徴税事務の膨張に追いつかず,また支配下においた諸地域の従来の税制を存続させ多様な方式が併立していたので,徴税請負人(プブリカニpublicani)の活動の範囲はきわめて大きかった。属州からの徴税の請負人の決定は入札方式で行われ,大きな資本をもった層がこの権利を獲得した。…

【ローマ】より

…倉庫として使われた〈アエミリウスの柱廊Porticus Aemilia〉(前193),テベレ川最古の石造橋アエミリウス橋Pons Aemilius(前179),中央広場のバシリカ群(前184年の〈大カトーのバシリカ〉,前179年のバシリカ・アエミリアBasilica Aemilia,前170年のバシリカ・センプロニアBasilica Sempronia),ギリシア式神殿をまねた最古の大理石製神殿(前146年のユピテル・スタトルJupiter Stator神殿),初の地上式上水道(前144年のマルキア水道Aqua Marcia)などがこの時期に属する。これらの施設の建造および補修はケンソルほかの役人と契約した公共事業請負人プブリカニpublicani(競争入札による)の手で行われ,工事完成後は役人の査察を受けた。それゆえ公共事業は役人となったローマ貴族の名声獲得の舞台であり,建造物は担当役人の名(氏族名)を冠して呼ばれる例が多かったが,他方,地位利用による不正蓄財もまれではなかった。…

※「プブリカニ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社日立ソリューションズ・クリエイト世界大百科事典 第2版について | 情報

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