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ベンセン・ウリゲル ベンセン・ウリゲルBensen üliger

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

ベンセン・ウリゲル
Bensen üliger

モンゴルの語り物の一形式。中国文学の翻訳をそのまま語り物として語るもの。「ベンセン」は中国語の「本子」 ben-zi (ノート) がモンゴル語化した語,「ウリゲル」は本来のモンゴル語の「お話」で,「翻訳を書いたノートをかたわらに置いて語る物語」の意。古来モンゴルでは,インド,チベット,中国など周辺の文明国の文学その他を自国語に翻訳し,それらを糧として自己の文学,文芸を発展させてきたが,ベンセン・ウリゲルも,18~19世紀に中国文学翻訳の隆盛に伴って発展した。内容は中国文学そのものだが,形式はモンゴル的な語り物で,モンゴル人にとっては読み物ではなく,聞くものになってしまったものである。のちに楽器の伴奏を伴うものと,普通の昔話のような語りとに分化した。ベンセン・ウリゲルの行われた地域は,南モンゴル各地,北モンゴルのクーロン (現ウラーンバートル) 付近,東部のダリガンガ地方など中国との接触の多かった地方のようであり,英雄叙事詩が盛んな地方や,中国との接触の少なかった地方では,あまり行われないか,または,まったく行われなかったことが報告されている。

出典|ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について | 情報

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