改訂新版 世界大百科事典 「マッフル炉」の意味・わかりやすい解説
マッフル炉 (マッフルろ)
muffle kiln(furnace)
間接炎式炉ともいう。熱源あるいは発熱体と焼成室との間に,熱伝導性のよい耐火物による隔壁(マッフル)をつけた炉。マッフルがないほうが熱効率はよく,使用温度も高くとることができるが,被焼成物が汚れる,炉内の雰囲気が変化する,発熱体が侵されるなどの問題が生ずる場合がある。その対策として被焼成物を匣鉢(さや)に入れて焼成することが一般に行われるが,それでも不十分な場合にはマッフル炉を使用する。エレクトロニクスセラミックスとかニューセラミックスとか呼ばれる,精密に機能を制御しなければならないセラミックスの焼成には不可欠な炉である。また,被焼成物から揮発成分が出て発熱体を侵すのを防止したり,炉の均熱性を高めたりするのにもマッフルは有効である。
執筆者:清水 紀夫
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報