一般的には間仕切りの壁をいうが、船舶用語では船体の内部をいくつかの区画に分ける仕切り壁をいう。タイタニック号沈没(1912)などの教訓から、主要な隔壁は浸水を一つの区画に局限するという明確な目的の下に設けられるようになった。そのほか船体構造の強化、防火壁としての延焼防止、貨物倉や水・油タンクの形成といった役割ももっている。また単なる仕切りのために設けられるものもあり、通常一つの隔壁でいくつもの役割を兼ねている。竹の節(ふし)のように船体を横方向にくぎっているものを横隔壁といい、船の長さに応じてその数が定められている。また、船の長さ方向に沿って1、2条設けられるものを縦隔壁という。隔壁は鋼製の平板に補強のためのスチフナstiffener(形鋼の骨材)をつけた構造で、平板は浸水時の水圧に耐えるために下のほうほど厚くする。板を波形に曲げて強度を保ち、スチフナを省略した波形隔壁もある。
[森田知治]
septum
一般には生物の内部を区分する膜状の構造物を意味するが,古生物では,有孔虫・サンゴ・頭足類などの骨格中の仕切板を指す。各分類群で内容は異なるが,分類の基準となる場合もある。例えばフズリナ類では,隔壁は中心軸方向に走る石灰質の板のことで,あるグループでは石炭紀以降,進化とともに複雑に褶曲する。サンゴ類では骨格を放射状,縦方向に仕切る板のことで,四放・六放サンゴでは,成長の初期に各4枚・6枚を基準として隔壁を形成するものが多く,名称の由来となっている。頭足類(アンモナイト・オウムガイ類)では,隔壁が殻の内面に接着する線は外の殻をはがしたとき縫合線となって現れ,分類・系統発生・個体発生の研究の重要な手がかりとなっている。
執筆者:佐藤 敏彦・中井 均
出典 平凡社「最新 地学事典」最新 地学事典について 情報
出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報
…船体には,必要とされるこれらの強度を十分にもつとともに,その船の用途に適した構造が採用される。船体強度
[構造形式]
貨物船の船倉は,その船種に応じてそれぞれの貨物の積載と荷役に適した固有の構造様式となっているが,船体構造という観点から機能別に分解すると甲板構造,船底構造,船側構造,隔壁構造という共通の構造部分に大別することができる。甲板は船体の深さ方向に対して水平に設けられる板状の構造物である。…
…船底はV型で波切りや帆走性能がよい。構造が中国独特のもので多数の横隔壁と厚い外板を基本とする。一方,当時の記録によると舵は船尾に取りつけられ,帆はすでに現代のジャンクのような縦帆を使っていたようである。…
※「隔壁」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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