マルテンパー(その他表記)martempering

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「マルテンパー」の意味・わかりやすい解説

マルテンパー
martempering

マルテンパともいう。鋼の焼入れ法の一つで,マルテンサイト変態開始温度の Ms と Mf との中間温度の塩浴に焼入れて一定時間保持する方法。 Mf より高い温度なので全部がマルテン化することはなく,したがって焼きひずみや焼割れの危険が少い。またある程度の時間保持するので中心までよく変態が進行し,大型物でも処理できる。通常の炭素鋼でその温度は 150~250℃の範囲である。焼入れ後は Ms より高い温度で焼戻しすれば,残留オーステナイトは分解して強靭なベイナイトになるので結果がよい。これと類似した処理にマルクエンチがある。これは Ms よりやや高い温度にいったん焼入れてしばらく保持したあと冷却し,Ms ,Mf 点を通過させる。焼割れなどの危険が少く安全に全面マルテン化する。 JISではマルクエンチも含めてマルテンパと呼んでいる。

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[生]1936.2.20. 千葉,臼井プロ野球選手,監督。佐倉第一高等学校から立教大学を経て,1958年に東京読売巨人軍(読売ジャイアンツ)に入団。右投げ右打ちの強打の三塁手として,入団 1年目に本塁...

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