ラチブシ(その他表記)Racibórz

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ラチブシ」の意味・わかりやすい解説

ラチブシ
Racibórz

ポーランド南部,シロンスキェ県の都市。ドイツ語ではラティボル Ratibor。カトウィツェの西南西約 60km,オドラ川 (オーデル川 ) 上流沿岸,チェコとの国境近くに位置する。ボヘミアとポーランドを結ぶ交易路のオドラ川渡河点に 12世紀初めに城塞が建設され,13世紀初頭に城塞近くに形成された市場町ラチブシは,1235年までには整然とした都市となり,都市権を獲得。シロンスク・ピアスト家 (ピアスト朝 ) のオポーレ公国が 1281年に分裂すると,ラチブシを首都とする同名の公国が誕生。公国は 1532年までピアスト家の血統を伝えたが,その間,実際の支配権は 1327年以降はボヘミアに,1526年以降はハプスブルク家にあった。 1742年にプロシアに属し,1945年以後はポーランド領。近代以降は電子,化学を中心とする工業都市であり,砂糖,たばこの生産も盛ん。第2次世界大戦では市街の約 80%を失ったが,ゴシック様式聖堂など歴史的建造物が多く残されている。人口5万 9495 (2002) 。

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