一切皆成(読み)イッサイカイジョウ

デジタル大辞泉 「一切皆成」の意味・読み・例文・類語

いっさい‐かいじょう〔‐カイジヤウ〕【一切皆成】

《「一切皆成仏」の略》仏語。一切の衆生にはみな仏性があるから成仏が可能であるということ。

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精選版 日本国語大辞典 「一切皆成」の意味・読み・例文・類語

いっさい‐かいじょう‥カイジャウ【一切皆成】

  1. 〘 名詞 〙 ( 「法華経方便品」の「聞我所説法乃至於一偈皆成仏無疑」から ) 仏語。世に生を受けたものは皆、仏になることができるということ。

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世界大百科事典(旧版)内の一切皆成の言及

【仏教】より

…仏果を得ることは文字や学解によるのではなく,字(真言)・印(印相)・形(曼陀羅)などで表現され,如来の言葉である真言陀羅尼を念誦し,観修することで即身成仏できると説く空海の教えは,彼の南都諸宗に対する妥協的態度や加持祈禱の容認と相まって,貴族や地方の豪族や民衆のなかに急速にひろまった。法相宗学を主流とした南都仏教が,成仏の可否は人間の素質によるという〈五性各別〉を説いたのに対して,天台・真言の平安仏教は〈一切皆成〉,すなわち素質や能力に関係なく,すべての人間が成仏できるとの一乗主義を説き,これも平安仏教の新しい特色だった。こうして,平安時代,化外の地域とされた東北地方まで天台・真言の僧が布教の足跡をのばし,仏教はほぼ日本全域にひろまった。…

※「一切皆成」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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