衆生(読み)しゅじょう(英語表記)sattva

  • ▽衆生
  • しゅうせい
  • しゅじょう ‥ジャウ
  • しゅじょう〔ジヤウ〕
  • すじょう
  • すじょう ‥ジャウ
  • すじょう〔ジヤウ〕

世界大百科事典 第2版の解説

サンスクリットのサットバsattva,ジャントゥjantu,ジャガットjagat,バフジャナbahujanaなどの訳。とくにサットバの訳語として用いられることが多い。サットバとは存在するもの,また心識をもつものの意で,有情(うじよう),含識(がんじき)などとも訳される。古くは衆生と漢訳し,唐代の玄奘以後のいわゆる新訳では有情と訳されている。またいのちあるもの,存生するもの,いのちをもって存在するもの,生きとし生けるもの,一切のいきもの,一切の人類や動物,とくに人間,人々,もろびとなどというように,さまざまな意味がある。

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大辞林 第三版の解説

しゅじょう衆生
心をもつすべての存在。苦のある世界である三界を輪廻りんねする。「人々」という意味で使われることが多い。時として、仏・菩薩をも含めることがある。 縁なき-は度し難し
しゅじょう(衆生)に同じ。 もろもろの-/宇津保 俊蔭

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

「命ある者」「心をもつ者」の意。サンスクリット語サットバsattvaの訳語。有情(うじょう)とも訳す。インドでは仏教も他の諸宗教も、人と動物との間に根本的な区別を設けず、業(ごう)(カルマ)によって種々に生まれ変わる(輪廻(りんね))と説く。仏教では地獄・餓鬼(がき)・畜生(ちくしょう)・阿修羅(あしゅら)・人・天の六道を輪廻転生すると説く。通常は輪廻に迷う存在を衆生とみなすが、広義には輪廻から脱(ぬ)け出した(解脱(げだつ))仏・菩薩(ぼさつ)も衆生に含める。また、竜、羅刹(らせつ)、夜叉(やしゃ)、乾達婆(けんだつば)、緊那羅(きんなら)、摩呼洛迦(まごらか)など神話上の異類や、地獄の獄卒(ごくそつ)などを衆生とみなす場合もある。[小川 宏]

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精選版 日本国語大辞典の解説

〘名〙 (jantu, sattva などの訳語。生存するものの意) 仏語。迷いの世界にあるあらゆる生類。仏の救済の対象となるもの。いきとしいけるもの。有情(うじょう)。群生。すじょう。しゅうせい。
※家伝(760頃)下「如来出世、演説諸法、教化衆生、令樹善葉」
※俳諧・更科紀行(1688‐89)「仏の御心に衆生のうき世を見給ふもかかる事にやと」 〔法華経‐譬喩品〕
[語誌]漢籍仏典以前に「衆生必死」〔礼記‐祭義〕、「幸能正生以正衆生」〔荘子‐徳充符〕などの例があり、これが訳語として採用されたもの。漢訳者は、梵語の sattva を「生命のあるもの」と解して「衆生」と訳したが、後には「こころのあるもの」と解して「有情」とも訳した。
〘名〙 (「す」は「しゅ」の直音表記) 仏語。迷いの世界にあるあらゆる生類。いきとしいけるもの。しゅじょう。
※宇津保(970‐999頃)俊蔭「国ほろびてもろもろのすじゃう、国土の人、穀につかれし時ありき」

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