成仏(読み)じょうぶつ

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

成仏
じょうぶつ

修行者が種々の修行を実践して,仏教究極の目的である悟りに到達すること。仏陀となること。その修行の期間,方法,また成しうる可能性,条件などに関しては,種々の説がある。たとえば,成仏しえない一闡提と呼ばれる人々も成仏しうるとする説や,草木のような生物すら成仏するなどの諸説がある。日本では俗には死ぬことを成仏ともいう。

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デジタル大辞泉の解説

じょう‐ぶつ〔ジヤウ‐〕【成仏】

[名](スル)仏語。
煩悩(ぼんのう)を断ち、無上の悟りを開くこと。
死んで、この世に未練を残さず仏となること。また、死ぬこと。「安らかに成仏する」

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世界大百科事典 第2版の解説

じょうぶつ【成仏】

仏(ほとけ)になること,〈さとり〉を開くこと。仏教の開祖釈迦(しやか)は,ブッダガヤーの菩提樹の下の金剛宝座明の明星を見て仏陀(ぶつだ)Buddha,すなわち覚(さと)れるものとなった。〈さとり〉をさまたげる煩悩(ぼんのう)から解き放たれる意味で解脱(げだつ)といい,仏(覚れるもの)と成るという意味で成仏という。釈迦が入滅した後,仏弟子たちは成仏を求めて禅定(ぜんじよう)や止観(しかん)とよぶ宗教的瞑想につとめた。

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大辞林 第三版の解説

じょうぶつ【成仏】

( 名 ) スル
〘仏〙 煩悩ぼんのうを解脱げだつし、悟りを開いて仏となること。得仏。
死んで、この世に執着を残さず仏となること。
死ぬこと。

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精選版 日本国語大辞典の解説

じょう‐ぶつ ジャウ‥【成仏】

〘名〙 仏語
① 煩悩を脱して悟りをひらくこと。
※法華義疏(7C前)四「明成仏已来久遠非但四十余年
※読本・春雨物語(1808)宮木が塚「念仏うたがふな。成ぶつ疑がふなと、波の底に示して舟に入りたまへば」
② 死んでこの世に未練を残さぬこと。悟りきって死ぬこと。単に死ぬことをもいう。
太平記(14C後)一四「坂本様の袈裟切りに成仏せよ」
暗夜行路(1921‐37)〈志賀直哉〉四「俺も赤坊(あかんぼう)が丈夫でゐると思へば、非常に気が楽だよ。迷はず成仏(ジャウブツ)出来ると云ふものだ」
[語誌](1)仏語としての本来の意味は①であり、文字通り仏になることであるが、何を以て成仏というかについては、宗派、経典によってまちまちである。概して、小乗は修行によってのみ成仏が可能(修得)とするのに対し、大乗衆生には成仏の因があるから、必ずしも修行によらなくても成仏できる(性得)とするという違いがある。
(2)即身成仏を説く密教等の例外はあるものの、大抵の日本仏教においては、成仏するにはまず肉体の死が前提となっているために、室町期以降に②のように単に死ぬという意味でも用いられる下地ともなった。

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世界大百科事典内の成仏の言及

【戒名】より

…これが戒名というものの常識的な意味であるが,宗教的には人間としての人格を捨てて,仏となって永遠の仏格を得たことを表す。いわゆる成仏したしるしとして戒名で呼ぶのである。したがって戒名は,仏教とその成仏を表現できるような文字を選んで名付けられるものである。…

【灌頂】より

…灌頂はサンスクリットでアビシェーカabhiṣekaまたはアビシェーチャナabhiṣecanaといい,もとインドで帝王の即位や立太子のときに行われた儀式で,たとえば〈即位灌頂〉においては四大海の水を頭頂に注ぎ,それによって四海に至るまでの全世界の掌握を象徴したのである。これが仏教にもとり入れられ,大乗仏教では最後の修行を終えた菩薩が悟りを開いて仏になるとき,諸仏から智水の灌頂を受けて成仏するものとされた。仏は真理界の帝王(法王)であるから,成仏を法王の位に即(つ)くことになぞらえたのである。…

※「成仏」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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