一向派(読み)いっこうは

精選版 日本国語大辞典 「一向派」の意味・読み・例文・類語

いっこう‐はイッカウ‥【一向派】

  1. 〘 名詞 〙 時宗十二派の一つ。時宗の開祖、一遍上人の門下、一向上人俊聖を祖とし、滋賀県米原市の八葉山蓮華寺を大本山とするもの。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

世界大百科事典(旧版)内の一向派の言及

【一向宗】より

…個別的には《天狗草紙》(1296)の詞書に,〈一向衆といひて,弥陀如来の外の余仏に帰依する人をにくみ,神明に参詣するものをそねむ〉とあり,一遍の時衆を一向衆といっている。また,《一遍流義十二派略記》には,〈一遍上人弟子一向上人住江州番場蓮華寺建一向流義〉とあり,一向俊聖の一向派の徒を一向衆と称している。 さらに,親鸞を宗祖とする真宗の門徒もまた,一向専修を宗旨とするため一向衆と呼ばれ,時衆や一向派と混同された。…

【蓮華寺】より

…1284年(弘安7)に一向俊聖(いつこうしゆんしよう)がこの地の地頭土肥三郎元頼(道日)と,もと米山山麓にあった古刹を再興して八葉山蓮華寺と号したのに始まるという。一向俊聖は浄土宗鎮西派の良忠の弟子で,時宗の宗祖一遍とは別系の遊行聖であったが,ほぼ同時代に生きその行跡が類似していたために混同され,近世には時宗12派の一つとされ,その一向派の本山とされた。しかし元来が別系であったために1942年に末寺56ヵ寺とともに時宗を離脱して浄土宗に改めた。…

※「一向派」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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