一方向クラッチ(読み)いちほうこうクラッチ(その他表記)one way clutch; overrunning clutch

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「一方向クラッチ」の意味・わかりやすい解説

一方向クラッチ
いちほうこうクラッチ
one way clutch; overrunning clutch

駆動軸側からの一方向のみの回転従動軸に伝え,逆方向の回転に対しては自動的に空転するクラッチ。駆動側が被駆動側を追越して,回転することもできるので,オーバランニングクラッチ,フリーホイールクラッチともいわれる。爪と鋼球を用いた自転車用のラチェット式クラッチ,鋼球を楔状の溝にはめこんだころ入り一方向クラッチ,球,こまなどのスプラグを利用したスプラグ式一方向クラッチなどが代表的である。この種のクラッチの一部は,小動力の無段変速機にも利用されている。

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世界大百科事典(旧版)内の一方向クラッチの言及

【クラッチ】より

…クラッチの利点は,原動機の運転をいちいち止めることなく,原動軸が回転したままの状態で従動軸の回転を止めたり,速度を切りかえるための歯車の入れかえなどが容易にできることにある。クラッチの着脱は外部から操作できるのが通例であるが,一方向クラッチのように回転軸の回転方向によりクラッチが着脱されるもの,遠心クラッチのように回転軸の回転速度が一定の限度を越えるか越えないかによって着脱されるものもある。 クラッチの種類は多いが,そのうち主要なものはかみ合いクラッチおよび摩擦クラッチである。…

※「一方向クラッチ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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